クロムの効果効能
クロムは必須ミネラルでインスリンの効果を高めます。インスリンの効き目を高めるのは、クロムを含む「ブドウ糖耐性因子」という物質です。アメリカでは糖尿病の患者や肥満の人にクロムを投与して、実際に効果を上げています。クロムで血糖値をコントロールすることによって、心臓病のリスクも低下できます。クロムは精製したデンプンや精白した小麦の摂取、運動不足、炭酸カルシウムや制酸剤の使用などで人体から失われやすいので、注意が必要です。
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クロムは血糖値をコントロールする
食事を摂ったあと、血液中の血糖値を下げるため、膵臓からホルモンのインスリンが放出されます。インスリンの働きにより糖は細胞に取り込まれて、血糖値が正常なレベルまで下げられます。細胞に取り込まれた糖はエネルギーに使われ、余った分はグリコーゲンや脂肪になって体内に蓄積されます。
運動などにより血糖値がさがると、こんどは膵臓からグルカゴンと呼ばれる別のホルモンが放出されています。このグルカゴンは体に蓄積されたグリコーゲンをブドウ糖に分解して、血液に放出して血糖値を適切なレベルまで高めてくれます。
このようして血糖値は一定なレベルに保たれていますが、最近の日本の食生活が欧米化して、高カロリーの食事を摂ることにより、血糖値の上がり下がりが急激になり、糖尿病や低血糖症、肥満になる人が大変増えてきているのです。
もともと日本人は欧米の人に比べて、インスリンの放出量が少ないのです、インスリンの効きが悪い(インスリン抵抗性)のです。この血糖値の不安定さ(低血糖症)と、インスリンの効きの悪さ、そして肥満は互いに強化しあい、悪循環を引き起こします。
このうちインスリンの効きの悪さを改善することにより、この悪循環を断ち切ることができます。インスリンの効き目を高めるのが、クロムを構成成分とした物質「ブドウ糖耐性因子」なのです。ブドウ糖耐性因子はアメリカの研究者により、豚の腎臓から発見されています。
クロムやブドウ糖耐性因子の糖尿病に対する効果は、ネズミを使った動物実験や数回におよぶ治験により、確認されています。このためアメリカでは、クロムは肥満や糖尿病の治療に使用しいています。
糖尿病や肥満を防ぐことは、心臓病の発症リスクを低下させることにもつながります。
クロムが欠乏すると
クロムは人体に2mgしか存在しない微量要素で、おもに存在するところは血液や肝臓、腎臓、細胞の遺伝子核などです。
クロムには3価クロムと6価クロムがありますが、6価クロムは猛毒で、人体に存在するのは3価クロムです。この3価クロムが欠乏しますと、人は動脈硬化や心臓発作を起こすことが、疫学調査で明らかにされています。
改善が期待できる症状
動脈硬化 糖尿病 脂質異常症(高脂血症) 肥満 メタボリック
クロムを含む食品
ビール酵母 レバー エビ 未精製の穀類 豆類 キノコ類 黒胡椒
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クロムの飲み方
1日40μgを目安に食後服用してください、ビタミンB1と一緒に摂ると効果的です。上限は400μgです、過剰摂取すると腎臓障害を起こす可能性があります。
アメリカの栄養療法士は、インスリン抵抗性や低血糖症の治療にピコリン酸クロムを400~1000マイクログラム使用していますが、これはあくまでも専門家の監視下のもとで使用された用量です。糖尿病治療をしている方は、クロムを使用するさいは、お医者さんとよく相談してください。