-関節痛(変形性膝関節症)の手術-


関節痛(変形性膝関節症)の手術

症状が悪化して、膝がほとんど動かなかたり、通常の生活が営めない場合は、手術を行います。

変形性膝関節症の手術は、おもに3つあります。

  • 関節鏡視下手術
  • 高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)
  • 人工関節置換術

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関節鏡視下手術

関節鏡視下手術は、膝のなかに関節鏡(内視鏡)を入れて行う手術で、半月板の損傷した部分や、はがれ 落ちそうな関節軟骨を取り除くのが、関節鏡視下手術です。切開部は1cm前後で、患者への負担が非常に軽い 手術です。

半月板の損傷の修復に効果がありますが、変形した関節軟骨修復はできませんので、すべての症状を改善 させられません。手術後数日で歩行ができますが、効果の持続が短い場合があります。

手術時間は40~60分程度で、1週間の入院が必要ですが、病院によっては日帰りのところもあります。

関節鏡視下手術は心臓病やぜんそく、糖尿病などがある患者で、他の手術ができない場合に選択せれます 。

高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)

高位脛骨骨切り術は、すり減っていない脛骨(すねの骨)の一部を膝の関節近くで切って、かたよってし まった加重が、均等にかかるようにする手術です。手術時間は90分程度で、関節鏡視下手術を予備手術とし て、行う場合もあります。

入院が2~3ヶ月かかりますが、骨がつけば登山やスポーツができるくらいまで回復します。

合併症として、感染症や神経のマヒ、足にできた血栓が肺の動脈を詰まらせる、肺血栓塞栓症などがあり ます。

人工関節置換術

人工関節置換術は、すり減って変形した骨の表面を、金属やポリエチレンなどで、できた部品に置き換え る手術です。関節全体を置き換える全人工関節置換術と、損傷の激しい部分だけを置き換える、単顆(たん か)人工関節置換術があります。手術時間は約2時間で、入院は1ヶ月程度になります。

手術後は痛みがなくなり、正座や激しい運動などはできなくなりますが、日常生活にはほとんど影響はあ りません。

変形性膝関節症の手術のなかでは、この手術がもっとも患者への負担が大きいくなります。合併症には、 感染症と肺血栓塞栓症があります。ステロイド薬を使用している人や糖尿病の人が、感染症を起こしやすい です。

これらの手術のあとでも、膝の柔軟性や改善されたレベルを保つため、運動療法は無理のない範囲で、続 けなければなりません。


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