-更年期障害のホルモン補充療法(HRT)-


更年期障害のホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(HRT)の効果

女性の更年期障害は、主に閉経前後の45~55歳に、女性ホルモンの分泌が急激に減るために起きます。顔のほてりや動悸(どうき)、うつ症状などのほか、手足の冷え、肩こり、頭痛、不眠、イライラなど人によって様々な症状が表れます。 

ホルモン補充療法(HRT)は、飲み薬や張り薬を用いて、女性ホルモンを補う治療です。エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類を併用し、手術で子宮を摘出した患者ではエストロゲンだけを用います。毎日薬を飲む場合や、ひと月に数日間の休みを挟みながら続ける方法もあります。

更年期症状の緩和に加え、エストロゲンには骨を溶かす細胞の活動を抑える働きがあることから、骨粗しょう症の改善も期待できます。


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ホルモン補充療法(HRT)の副作用

しかし、米国国立衛生研究所が2002年、ホルモン補充療法(HRT)を受けた患者で、乳がん、心筋梗塞(こうそく)などの冠動脈疾患、脳卒中が、それぞれ26%、29%、41%増加したなどの研究結果を発表しました。このためホルモン補充療法(HRT)の危険性が、クローズアップされました。

ただしその後、この研究の対象者には、脳卒中などになりやすい肥満や高齢者が多かったなどの問題点が浮上しました。危険性だけを強調するのではなく、ホルモン補充療法(HRT)で得られるプラス面が上回る場合には、実施を考えるべきだとの方針が世界的にも標準となりました。日本産科婦人科学会などでも、安全にホルモン補充療法(HRT)を行うための診療指針をまとめています。

指針では、治療に伴い起きる可能性のある副作用として、

1.不正性器出血

2.乳房痛

3.片頭痛

4.乳がん

5.動脈硬化・冠動脈疾患

6.脳卒中

7.足などの静脈に血栓ができる血栓塞(そく)栓症

8.子宮体がん

9.卵巣がん

10.子宮頸(けい)がんなど、その他のがん

上記10項目をあげています。乳がんは5年以上続けると危険性が高まるが、死亡率は変わらず、冠動脈疾患は60歳以上だと危険性が高まり、脳梗塞の危険性は高まるが、脳出血は増加しないなどと、分析しています。

そのうえで指針は、治療を行う際には、年1回の乳がん検査や、血圧、コレステロール検査を継続することを勧めています。また60歳以上での治療開始や、5年以上の治療継続は乳がんなどの危険性が高まるとして、より注意が必要としています。肝硬変、乳がん、心筋梗塞、脳卒中を起こしたことのある人では行われません。

小山嵩夫(たかお)クリニックの小山さんは「米国では更年期の女性の約30%がホルモン補充療法(HRT)を受けていますが、日本では2%ほどです。効果や安全性についての日本での研究が進むことが望まれます」と話しています。治療には保険がきき、患者負担は月数千円(小山さんのクリニックは、保険のきかない自費診療)です。 

NPO法人「女性の健康とメノポーズ協会」(東京)では、更年期障害に悩む女性たちのために電話相談(火・木曜の午前10時半~午後4時半、(電)03ー3351ー8001)を行っています。

関連医療機関

小山嵩夫(たかお)クリニック

関連ホームページ

女性の健康とメノポーズ協会


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