-余った皮膚を真皮縫合法で除去する「減量後手術」-


余った皮膚を真皮縫合法で除去する「減量後手術」

余った皮膚を除去する減量後手術

ダイエットに成功して、余ったおなかの皮膚が垂れ下がってしまった場合、「減量後手術」で取り除くことができます。術後は、傷が大きく、痛みもあますが、半年後には傷跡も目立たなくなります。

減量後手術は形成外科では昔から行われてきた手術ですが、杏林大形成外科教授の波利井清紀さんによりますと、ここ2、3年で、希望者の数が急に増えたそうです。メタボリック・シンドロームが注目され、やせ志向が一段と強まるなかで、「今後、患者数はさらに増えるのではないか」とみています。

少々の減量なら、ゆるんだ皮膚は自然に縮んできますが、年齢、性別に関係なく、減量も50キロ以上となると、かなりの皮膚が余ったままになってしまうことがあります。主におなかと太ももの手術が多いいですが、乳房や二の腕、背中も対象になります。

おなかの場合、女性なら下着で隠れるラインに骨盤の端から端まで横に切り込みを入れ、余分な皮を引っ張って切り取ります。へその位置を決め、丸く穴をあけて縫いつけます。背中の皮も余っている時は、腹巻きのように胴体を一周する形で切ります。

乳房は、乳輪の周囲と下の隠れる部分を図のように切り、縫い縮めて乳輪の位置を上げます。二の腕や太ももは内側の皮を矢羽根のような形に切ります。


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傷跡を目立たなくする「真皮縫合法」

技術的には難しい手術ではありませんが、「縫う距離が長いので、医師にとってはとにかく体力がいる仕事です」(波利井さん)と話します。傷を閉じるには、まず皮下脂肪、続いて皮膚の下層の真皮と呼ばれる部分、そして、最後に皮膚の表面の部分を縫い合わせて閉じます。形成外科で行う、傷跡を目立たなくするためのという縫い方です。真皮を縫っておくことで、皮膚の表面にかける糸を細くし、強く縛る必要がなくなります。

このように手間をかけて縫うため、手術時間は腹部だけで5~6時間、腕や足は片方で2時間かかります。おなかと腕など離れた部分の皮を取る時は、1か所につき2人ずつ、合計で6人の形成外科医が同時に取りかかることもあります。

減量後手術の費用と設備

5日程度の入院が必要で、費用は自己負担になります。杏林大では手術、麻酔、入院費の合計で、おなかだけなら120万円、おなかと背中を合わせると180万~200万円になります。乳房だけの場合は100万~120万円かかります。

この手術は、出産後や、年を取って垂れ下がった乳房や二の腕のたるみを除くためにも行われます。拒食と過食を繰り返して皮膚がたるんだ人が手術を受けることもあります。

波利井さんによりますと、大学病院など規模の大きな病院の形成外科なら技術的に可能です。美容外科クリニックで実施している可能性がありますが、手術時間が長いので、安全に全身麻酔がかけられ、入院できる施設であることが必要になります。

手術の合併症としては、皮下に血腫(けっしゅ)がたまることがありますが、管を入れて除去すればほとんどが治ります。傷跡は半年を過ぎると目立たなくなるものの、細い線は残ります。手術後に再び太ってしまっても、皮はその分また伸びるので、問題は起きないといいます。

関係医療機関

杏林大形成外科


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