-超音波内視鏡(EUS)による膵臓がん検査と治療-


超音波内視鏡(EUS)による膵臓がん検査と治療

超音波内視鏡(EUS)による膵臓がん早期発見

早期発見が難しい膵臓がんは、見つかった時には手術できないほど進行していることが多いいです。早めの診断を目指し、超音波内視鏡(EUS)を活用した検査が広まっています。

JA尾道総合病院内視鏡センター長の花田敬士さん(47)は、検診の腹部超音波やコンピューター断層撮影法(CT)でがんが疑われる異常が見られた患者について、まず超音波内視鏡(EUS)でがんの可能性が高い症例を見つけ出す手順により、早期診断を目指す方法に取り組んでいます。

EUS検査は、直径約1センチのカメラを口から胃や十二指腸に挿入し、背中側にある膵臓を超音波画像で調べるものです。患者さんは検査中、鎮静剤で半ば眠った状態で、いわゆる胃カメラによる胃の検査に似た感覚ですが、検査時間は20~30分ほどかかります。

73歳男性は、かかりつけの診療所で受けた腹部超音波検査で、膵臓の分泌液を通す管(膵管)が広がっていたため、JA尾道総合病院に紹介されました。EUSで調べると、腫瘍が膵管を圧迫して膵液が滞り、膵管拡張を起こしているとわかりました。手術で約1センチのがんを切除しました。

CTなどではわかりにくい1センチ以下のがんの場合でも、EUSで確認できる場合が多いいです。日本膵臓学会で2008年、1センチ以下で見つかった42症例(8施設)を分析したところ、EUSでは84%で何らかの異常が確認でき、腹部超音波(75%)、CT(44%)より高かったです。腹部超音波やCTでは、異常といっても膵管拡張など間接的な問題点がわかる程度ですが、EUSは腫瘍そのものが見つかることも多いといいます。


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超音波内視鏡(EUS)による膵臓がん細胞の採取

EUSで腫瘍が確認できた患者さんは、超音波で観察しながらEUSに装着した細い針を腫瘍に刺し、組織や細胞を採取します。がんかどうか、最終確認をします。膵臓は胃や大きな血管に囲まれた位置にあるため、胃や大腸のように直接的な観察ができず、組織や細胞の採取が難しかったです。花田さんは「安全で入院せずできるEUS検査で、がんの疑いが強い症例を絞り込んでから細胞や組織の採取に進めば、患者さんの負担を抑えて早期の確定診断ができます」と話します。

同学会の調べでは、1センチ以下の膵臓がんは、75%程度が進行度0か1と、早期がんです。進行度1で治療した場合の5年生存率は約55%で、手術できた症例全体の5年生存率10~20%に比べ高いとされています。

しかし、EUSで膵臓がんを見つけるには技術や経験が必要で、使いこなせる医師はまだ限られています。技術のある医師が、各地で講習会を開き、普及に努めています。

関係医療機関

JA尾道総合病院


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